株主・投資家の皆様へ

将来のマーケットの動向を見据え、速攻性のある開発・生産体制の強化と新しいフィールドへの布石となる戦略をすすめてまいります。

第51期(平成25年12月期)の業績について

昨年に引き続き、非常に厳しい結果となりました。
電気・電子部品事業は、ワイヤレス通信向けのアンテナ用超小型RF同軸コネクタが好調を維持し、FPC/FFCコネクタも主にデジタル家電向けに順調に伸ばすことができましたが、一方で当社の主力商品である細線同軸コネクタは、主な用途であるノートパソコンの販売減少の影響を受け低迷しました。また、ハードディスクドライブ(以下「HDD」)機構部品も、HDDの需要低迷の影響で伸び悩み、最終的に細線同軸コネクタの受注減少を事業全体で補うまでには至りませんでした。
次に、自動車部品事業は、北米、中国の二大市場が新車販売をけん引し、日本国内では消費増税前の需要増もあって新車販売台数が過去最高を記録するなど、自動車販売が世界的に好調だったことから、車載用センサをはじめとする事業全体の売上も過去最高を達成することができました。
また、設備事業は、スマートフォンやタブレット向け半導体デバイスの製造に使用される関連装置は好調に推移しましたが、半導体樹脂封止装置は、半導体メーカーの設備投資が引き続き低調だったことから、事業全体としては伸び悩みました。
以上により当社全体では、売上高と、円安による為替差益の恩恵を受けた経常利益については、昨年8月8日に発表した修正計画を達成できましたが、生産設備等の固定資産のうち、今後の事業環境等を総合的に勘案し回収が見込めないものを減損処理したため、昨年に引き続き当期純損失計上の止む無きに至りました。
このように厳しい結果とはなりましたが、安定配当維持の方針により、期末配当金は昨年同様1株当たり5円、年間配当金を1株当たり10円とさせていただくこととしました。

来期(第52期)の重点戦略について

年々厳しくなる価格競争に対応するため、市場のニーズを先取りした競争力ある商品の開発・投入と新規市場への参入に向けた施策を行っていきます。
まずは、主力である電気・電子部品事業において、好調に推移しているRF同軸コネクタの更なる小型高性能化を進め、成長軌道の維持を目指すほか、ウェアラブル、カーインフォテイメント、スマートグリッドなどの先端市場への参入を推進します。FPC/FFCコネクタは、独自機能を持つ商品投入により、デジタル家電やスマートフォン、タブレットのシェアを取り込みます。更に、細線同軸コネクタは、高速伝送と低ノイズの特性を活かし医療などの高付加価値市場の開拓に力をいれます。また、HDD関連部品は、顧客ニーズを満足する多品種少量生産、最適地供給体制の拡充等に取り組み、併せて海外大手メーカーへの参入を目指します。
自動車部品事業では、念願であった自社開発の車載コネクタの供給を昨年開始しました。高温環境下でも優れた接続信頼性を発揮するため高い評価を得ており、ラインアップの拡充も進んでいることから、LEDヘッドライトなどに向けた今後の展開に大きな期待が持てる商品です。今後も新商品の開発・市場投入により自動車部品事業の第二の柱に育てていきます。また、車載用センサなどのOEM事業は、受注拡大を目指して海外を含めた生産拠点マップの再整備を行うほか、生産回帰の動きを先取りし、北米工場の増設を実施します。
設備事業では、大判高密度フレーム対応の半導体樹脂封止装置の更なる拡販と、この装置で培った成形技術を応用した新規事業の開拓、新たな市場ニーズの掘り起こしに努めます。また、半導体デバイス製造関連装置では、業界トップシェアの強みを活かし、スマートフォンなどのデバイス製造向けの拡販に取り組みます。
このほか、先ごろ発表しましたが、ロボット市場に向け世界初*の静電容量方式を採用したトルクセンサ「エストルク」の開発に成功しました。このセンサは、ロボットの回転動作時に回転軸に掛かるトルク(力)を検出し、制御することによりロボットの安全性を向上させる鍵となるセンサです。加えて、従来型トルクセンサと比べ構造がシンプルで量産性に優れ、大幅なコスト削減が可能です。ロボット市場は、製造現場や医療・介護などのサービス分野での自動化ニーズの高まりと、労働安全衛生規則(80W規制)の解釈見直しにより人とロボットが協調作業する環境づくりが本格化することから、成長が期待されています。また、ロボットだけに限らず、トルク検出を必要とする自動組立装置など幅広い応用範囲が見込めるため、市場ニーズに合わせてビジネスを拡大していきたいと考えています。

冒頭申し上げましたとおり、昨年に引き続き業績は厳しい結果となりましたが、新しい取り組みも実を結びつつあります。これからも、お客様のニーズの先をいく新商品の開発とコスト低減、供給体制の最適化に積極果敢に挑戦し、業績の回復に努めてまいります。
なお、第52期は売上高430億円、経常利益14億円、当期純利益9億円を見込んでいます。この計画の達成に全力で取り組み、株主様に安定的な利益還元を実施できるよう尽力してまいりますので、今後とも当社グループへのご支援を何卒宜しくお願い申し上げます。

2014年3月
代表取締役社長 小西 英樹

*2014年2月当社調べ