株主・投資家の皆様へ

全社横断的な営業本部を新設リソースを重点市場にシフトし反転攻勢へ

56期(2018年12月期)の業績について

過去最高の売上高を達成したものの、需要変動と競争激化の影響を受け減益に

まず、電気・電子部品事業では、超小型RF同軸コネクタがスマートフォン市場の成長鈍化や競争激化に加え、IoT分野の需要減少により低迷したほか、細線同軸コネクタはノートパソコンの販売が低調に推移した影響により、思うように伸びませんでした。一方、基板対基板コネクタは、「ダントツ商品」の高周波ノイズ対策フルシールドコネクタがノートパソコンやタブレット向けに採用が進み順調な伸びを示しました。HDD関連部品は、サーバーやゲーム機向けの需要は底堅く推移しましたが全体としてはパソコン向けの減少が影響し低調でした。このほか、「ダントツ商品」のトルクセンサ「エストルク」は、産業用ロボット向けが伸びました。

次に、自動車部品事業は、カーエレクトロニクスの進展による部品需要増大の恩恵もあり、燃費、環境、安全性能の向上に寄与する車載用センサが好調でした。また、耐振、耐熱性に優れたSMTコネクタは、LEDヘッドライト向けに採用車種の拡大が続き大幅に伸びたことから、自動車部品事業の売上レコードを6期連続で更新することができました。

設備事業は、米中貿易摩擦の激化など景気の減速感から半導体メモリの需要は減少に転じましたが、電気自動車や自動運転技術の進展を背景に車載半導体需要が引き続き好調だったため、半導体樹脂封止装置や金型も伸ばすことができました。

以上のように電気・電子部品事業のコネクタの苦戦を好調な自動車部品事業と設備事業がカバーし、売上高526億円と増収を確保しましたが、競争激化の影響から営業利益7億円、経常利益6億円と減益となりました。また、今後の成長を見据え、将来キャッシュを生まない商品及び固定資産の整理に踏み切り減損を実施しましたので、親会社株主に帰属する当期純損失18億円を計上するに至りました。この結果を受け、株主の皆様には大変心苦しいのですが、期末配当金を1株当たり5円減配の15円、中間配当を含む年間配当金を20円とさせていただきました。

第57期(2019年12月期)の重点戦略について

リソースをモビリティ、5G、ロボット、メディカルに重点的に配分

電気・電子部品事業

日本では今年中にも5G(次世代移動通信システム)のサービスが順次開始される予定です。IoTの進展とともにこれまで無線通信機能を持たなかったモノに通信機能の搭載が進み、市場が急速に拡大すると見込まれることから5G関連ビジネスの準備を進めてきましたが、今年は成果が見えてくるものと期待しています。この他、機器内のデータ伝送の高速化が更に進むと予想されることから、高速伝送時のノイズ対策のニーズも拡大が見込まれますので、主にノートパソコンやサーバー向けにフルシールドコネクタの拡販に力を入れます。HDD関連部品は、主にサーバー向けの大容量化ニーズに対応する部品の受注獲得に努めます。また、トルクセンサ「エストルク」は、ロボットメーカーや医療介護サービス分野、産業機械分野への拡販に引き続き注力するとともに、「エストルク」を使ったロボットハンドなど新しいアプリケーションをあらゆる自動化ニーズに向けて展開してまいります。

自動車部品事業

LEDヘッドライト向けに供給している熱と振動に強いSMTコネクタは、順調に採用車種が増えていますが、更なる拡大余地があるため拡販に注力します。また、自動車の電動化、電子化の進展により、今後も次世代車を中心に部品需要が拡大することが予想されますので、リソースを重点的に投入して、電子機器で培ったコネクタのノウハウと、車載用コネクタのノウハウを融合した差別化された新商品の開発と拡販を引き続き強力に推進してまいります。このほか、次世代車向けセンサなどの受注獲得に向けた取り組みを進めます。

設備事業

拡大が見込める車載パワーデバイス向けを中心に、封止装置の拡販に注力します。また、半導体で培った成形技術や装置技術を医療など他の分野に応用する取り組みを継続し、半導体関連以外の分野に向けた機械装置ビジネスに着手してまいります。

MEMSデバイス

一昨年開発を発表した匂いを「見える化」するセンサ「nose@MEMS」は、ユーザーとの実証実験が進んでいます。今年1月に開催されたウェアラブルEXPOでは、凸版印刷株式会社様との共同実証により、市販のブラックコーヒー4種類をおよそ9割の確率で嗅ぎ分ける成果を発表しました。食品、飲料や化粧品の官能検査の置き換え用途の他にも、匂いがトリガーとなるあらゆるシーンでの利用が見込めるので、大きな期待を寄せています。今年秋の発売を目指して開発もラストスパートに入りました。

また、昨年1月に発表したMEMS超音波センサも、商品化に向けてアップデートが進んでいます。このセンサは、駆動機構付センサとして*業界最薄を実現したことが最大の特徴です。機器の小型化が求められるさまざまな用途で使っていただけるセンサになるのではないかと楽しみにしています。

当社調べ

選択と集中で確かな成長軌道に

第57期は、拡大が見込まれるモビリティ、5G、ロボット、メディカルに重点を置いた取り組みを展開してまいります。この取り組みを推進するため営業本部を新設し、より効果的かつ横断的な営業戦略を遂行するとともに、生産体制の見直しによる効率化にも注力してまいります。また、各事業における将来の売上の2割以上を稼ぎ出すような未来の看板商品である「ダントツ商品」を生み出し、育てる取り組みも継続し、これらの取り組みが当社を確かな成長軌道へと導くことで、企業価値の向上を目指してまいる所存です。

株主の皆様には今後とも当社グループへのご支援を何卒宜しくお願い申し上げます。